支払停止の抗弁の適用要件
包括信用購入あっせんにおける支払停止の抗弁の適用要件は、下記になります。
◇包括信用購入あっせんに係るもの
包括信用購入あっせんとは、クレジットカード等を利用した取引であって、その取引に係るクレジット代金の支払いが2ヶ月を超えて行われるものをいいます。
2ヶ月を超えた与信契約であれば、一括払いを含めて割賦販売法の適用があり、いわゆるボーナス払い、2回払いについては、支払停止の抗弁の対象となります。
マンスリークリアの場合は、これまでどおり、支払停止の抗弁の対象とはなりません。
◇商品、指定権利または役務の販売に係るもの
販売契約の対象が商品または役務である場合には、原則として支払停止の抗弁の対象となります。
権利については、指定制が維持されていることから、政令で指定された権利に係る販売契約の場合に限り、支払停止の抗弁の対象になりません。
◇販売業者に対して顧客が抗弁事由を有する
販売業者に、目的物の引渡しをしていないとか、不完全な目的物の引渡ししかしないなどの債務不履行がある場合、販売業者との契約が不成立の場合、錯誤等により無効である場合または詐欺等により取消しうる場合等が抗弁事由に該当します。
◇政令所定の金額以上の支払総額である
クレジット代金の支払総額が7万円に満たない場合、リボルビング方式の場合には3万8,000円に満たない場合には、支払停止の抗弁の適用はありません。
*、支払停止の抗弁を主張する者は、クレジット会社から求められた場合には、抗弁事由を記載した書面を提出する旨が条文上規定されていますが、努力義務にすぎないため、支払停止の抗弁の適用要件とはなりません。
顧客が書面を提出しない場合でも支払停止の抗弁の適用があります。
◇適用除外
下記の場合には、包括信用購入あっせんに係る規制は適用されないこととされているため、支払停止の抗弁の適用もありません。
●営業のためにもしくは営業として締結する場合
ただし、連鎖販売個人契約(*)または業務提供誘引販売個人契約(*2)に該当する場合は、支払停止の抗弁の適用があります。
(*)連鎖販売のうち、商品等の販売等を訪問販売等により行う個人との取引をいう。
(*2)業務提供誘引販売取引のうち、商品等の販売等を訪問販売等により行う個人との取引をいう。
●国外の者を対象とする場合
●国または地方公共団体が行う場合
●一定の組合、連合会、公務員団体、労働組合等がその構成員に対して行う場合
●事業者がその従業者に対して行う場合
●不動産の販売に係る契約の場合
◇法的効果
支払停止の抗弁が認められた場合には、顧客は、クレジット会社からのクレジット代金請求に対し、その支払いを拒むことができます。
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